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【腹黒度…100%】あなたの腹黒さは最強レベル
この結果を目の当たりにした私は唖然とした。
100%などと言い切られてしまった私はどこをどう改善すればよいのだろうか。いつも誠実でいたつもりだったのに、それをやめてしまえば私の腹黒さはもはや測定不能なのか。
そんなことを思ってふと時刻を確認するとすでに夜中の2時に差し掛かっていた。
「しまった。明日からまた学校じゃん。あ、明日じゃなくて今日か」
自分のだらしなさに呆れる。これで何度目だろうか。ここ数日ろくに寝た気がしない。
ため息をつき、スマホを充電ケーブルに繋いで眠りについた。黒いのは腹じゃなくて目の隈だろ。
目が覚めた。眠い瞼を擦りつつも時計を確認する。いつもと反対に寝ていたせいで時計が反転している。おそらく5時20分。ついてない。昨晩カーテンを閉めるのを忘れて日の光で目覚めてしまったのだ。
ため息をつきながら、私は再び目を閉じたが、二度寝できるはずもなかった。学校に遅刻しないために仕方なく起き上がり、朝の準備を始める。
学校では、友人たちが待っていた。みんなが談笑する中、私は昨日のテストの結果について思い出した。腹黒度100%と診断されたことが頭をよぎり、不安が募った。
授業が始まると、私はふと窓の外に目をやった。そこには、一匹の子猫が雨の中、木から降りられなくなっていた。授業中にもかかわらず、私は立ち上がり、先生に断って教室を飛び出した。
子猫を助けるために木の下に駆け寄り、上まで登って優しく抱きかかえて下ろし下ろしてあげた。雨に濡れた子猫は弱々しく鳴いた。太郎はその子猫を温かい教室に連れて行き、友人たちと一緒に世話をすることにした。
その日の終わり、太郎はふと考えた。「腹黒度100%なんて、テストの結果なんかどうでもいいや。大切なのは行動だ。」と。
そして、彼は再び誠実に生きることを決意した。次の日、学校での噂は、腹黒度テストではなく、太郎が子猫を助けた勇敢な行動についてだった。
太郎は微笑みながら、「やっぱり、大事なのは心の優しさだな」と思いながら、前を向いて歩き続けた。
ただその後先生にものすごく怒られた私であった。
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