第2話 桜舞う、ご神木の下で。

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今日は土曜日だ。休日はお客さんの流れが変わる。 いつもは早朝にお客さんが纏めて来店するのに対して、今日みたいな日は客足がまばらになる。 平日ほど朝に集中して忙しい事は無いものの、お昼前になると家族の分も大量に買っていくお客さんが現れるため、店頭に並ぶパンがごっそり無くなるのだ。 できるだけ焼き立ての温かいパンを食べて欲しいので、お客さんの流れを見ながらパン作りを進めなければない。 作業に掛かる時間を考慮して動くというのが鯨さんのようにいかず、今のように店の商品がすっからかんという悲惨な状況にもなり得る。   お昼が過ぎ、お店からお客さんがいなくなったのを見計らって厨房へと急いだ。 出来上がったパンをひとまず店に並べ、再び厨房に引き返す。
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