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数日後、沙織が私のところに来て「ちょっと話したいことがあるんだけど」と廊下に呼ばれた。 正直言ってすごく嫌だった。顔も見たくないし話もしたくなかったのだ。 「……何?」 沙織を見ないままそう聞くと、沙織がポツリと告げる。 「あのね、私も仲間に入れてほしくて……」 予想もしてなかったその言葉に唖然とすると同時に、突沸するように湧き上がったのは怒りだった。 「……は?」 「真美ちゃんたちのところで私も一緒にすごしたいなって思ったんだけど、真美ちゃんに『それなら結衣ちゃんに許可取って?』って言われて、それで……」 「ねぇ、自分が何言ってるかわかってるの?」 「うん……都合のいいことを言ってるって自分でもわかってるんだけど……」 わかってて聞いてるの? 信じられない。 ははは、と薄笑いを浮かべてる沙織を見てると余計に腹が立った。 ドーナツみたいにぽっかりと空いた心の穴は黒く染まり、その中から真っ黒な手が伸びて沙織を突き飛ばすような感覚だった。 「自分でやったことの報いでしょ? 私は絶対に嫌だから!」 そう言って沙織の前から去った。
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