【2】

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「あ……」 金曜日の放課後、昇降口で律君と遭遇。なんてラッキーなんだろう。 律君は私の初恋の人。幼稚園児の頃から好きだから、もう片想い歴10年近くになる人だ。 「律君」 「あぁ、沢口さん」 「律君、今から帰るの?」 「うん」 「じゃあ……よかったら途中まで一緒に帰らない?」 我ながら相当な勇気を振り絞って言った言葉だ。 すると律君はフッと微笑んで返事をしてくれた。 「うん、いいよ」 やったー! 勇気を出してよかった! その日の帰りは、舞い上がりすぎてくだらないことばかりペラペラと話していたような気がする。でも律君は優しくて、嫌な顔一つせず聞いてくれていた。 そばから見上げる律君はすごく背が高くてかっこよくて、隣に並んでるだけでドキドキして幸せだ。 「じゃあね、沢口さん。また月曜日に」 「うん、また月曜ね」 家の前まで送ってくれた律君。 あぁ……夢のような時間だった。 おかげで金・土・日と幸せな週末を過ごす。ウキウキ、ソワソワ。 また律君と一緒に帰れたらいいな。
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