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週明け月曜。
「おっはよーう」
浮かれた気分で里美と雪乃に挨拶すると、何か話している様子の二人はチラッとだけこちらを見て小さく「おはよう」と言い、また二人で話し始めた。
……何か相談事かな。まいっか。
その数分後、隣の席の沙織が登校してきた。
「沙織、おはよう」
「……おはよう」
「聞いて聞いて、金曜日ね、私偶然――……」
そう話し始めても、沙織と全然目が合わない。しかも表情が硬い。
「沙織、どうかしたの?」
沙織は荷物を置くと、何も答えずそそくさと里美と雪乃の方に向かう。
……あれ?
それからというもの、沙織は里美と雪乃と過ごすことが増え、私はと言うと――
「昨日のミイナの写真見た?」
「見た見た! 脚長すぎて加工? って思った」
「同じ人間とは思えないよね」
そう話す沙織と里美と雪乃に「私も見たよ。羨ましいよね」と答えると、シーンと3人は静まり返り、私の言葉を無視するように別の話をし始める。
「ねー、スカイスクエアの展望フロア行ってみたくない?」
「行きたーい」
「えー、じゃあ3人で行こうよ」
「行こう行こう」
3人で、か……。わざわざ仲間外れを強調するかのような言い方がキツい。
きっとここで「私も行きたい」って言ったら、またシーンとするか、「やっぱり行かない」ってなるんだろうな。
そう予想がつくと、言葉が出てこなくなった。
ザワザワする教室でポツンと佇む私。
……どうして?
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