64人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
なぜだか、少し前の雛と今の私は同じ状況だ。
「ねー雛……」
自分に何が起きているのかわからなくて雛に話しかけると、雛は黙って目を逸らす。
「雛、これってどういう……」
する雛はポツリと言った。
「結衣だって同じことをしたじゃない」
「えっ……?」
すると里美が雛に告げる。
「雛、行くよ」
チラリとこちらに目を向けた雛は、それ以上何も言わずに里美について行ってしまった。
胸がザワザワして重苦しい音を立てる。
……何これ。
一応みんなの後を付いていくものの、輪から外れてポツン。
私は学校にいる間、ずっと仲間外れにされて一人で過ごした。
家に帰ると振り返っていろいろ考えた。
何かしたかな、何か嫌なこと言ったかな、気が付かないうちに私が何か悪いことしちゃったのかな……。
でも何も思い付かない。急に無視されるようになった感覚だ。
……あーあ、学校行きたくないな。
翌日も、その翌日もまたその翌日も、無視された状態は続く。みんなの輪の後ろをちょこまかと付いて歩く私。周りから変な目で見られてるんじゃないかと思うと、顔を上げられなかった。すごくかっこ悪くて恥ずかしい自分。
それでも本当の一人にはなりたくなくて、輪のおまけでもいいからくっ付いていたかった。
でも無視されたまま過ごす一日はすごく長くて、家に帰って朝になるまではすごく早い。
朝が来るのが怖かった。
1週間も経つ頃には、学校に行く時間が迫ると「あぁもう消えたいな」「死んじゃいたいな」って思うくらいだった。
最初のコメントを投稿しよう!