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【3】
無視されたまま過ごす苦しい日が暫く続いたある日、私は決意して里美・雪乃・沙織・雛が一緒にいるところに声をかけにいった。
「あ、あのね……私、何かしたかな?」
そう聞いても、みんな私の目を見ずに黙っていた。それでも何とか打開したくて、声を震わせて問う。
「あの……何かしたなら謝るよ。だから教えて?」
すると里美と雪乃が何か二人で話してクスクスと笑う。そして私なんて見えてないみたいに別の話を始めた。
どうして……どうして無視するの? 意味がわからない。
「ねぇ、話を聞いて?」
そう言っても誰とも目が合わない。
「ねぇ、無視しないで。お……お願いだから教え……ッ……」
もうやめてよ。無理、これ以上頑張れない……。
そう思ったらボロボロと目から涙が溢れ、慌てて顔を隠した。
嫌だ、こんなふうにみんなの前で泣くなんて恥ずかしい。
泣くな。泣くな。泣くな……。
すると私の肩にトンッと温かな感触が乗る。
「バッッッカみたい。くだらない。結衣ちゃん、こっちにおいで」
そう言ってドラマに出てくるイケメンヒーローみたいにグイッと私の腕を引いてくれたのは――
「ま……真美ちゃん!?」
地味女子グループのお母さん的存在・真美ちゃんだった。
「まったく……結衣ちゃん大丈夫?」
この時の真美ちゃんはお母さんみたいにも神様みたいにも見えて、ホッとした私は小さな子どもみたいに声を上げて泣き出した。
「もう大丈夫だよ。雛ちゃんに続き、今度は結衣ちゃんなんて……ほんとバカみたい」
そう言って真美ちゃんはずっと私の背中をヨシヨシと撫でてくれていた。
地味女子グループに入るのは嫌だと思っていた私。ダサいと思っていた私。
でも見た目とか雰囲気とか話してることとかじゃなくて、真美ちゃんの心は全然ダサくない。
ダサいのは私だ。
だって雛が仲間外れにされてる時、私は無関心を貫き、見て見ないふりをしていただけだったのだから。
きっと同じように雛も苦しかったはずなのに……。
「真美ちゃぁぁぁん……」
「おぉ、わかったわかった。泣きたいだけ泣きな」
辛かった、苦しかった、でも自分もバカだったことに気づいて、情けない涙が止まらなかった。
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