【3】

2/2

63人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
地味女子グループに招かれた私は、泣きじゃくりながら真美ちゃんに話をした。 「私ね、どうして嫌われたのか全然わからないの……。でもきっと気付かないうちに何かやっちゃったんだって思って……ッ……。でも誰も教えてくれなくて……」 すると溜息をついた真美ちゃんが教えてくれた。 「結衣ちゃん、違うよ。里美ちゃんたちはね、鳴海君と仲良くする人が嫌なんだよ」 真美ちゃんの言う鳴海君とは律君のことだ。 「えっ……?」 「あのね、里美ちゃんたち、みんな鳴海君のことが好きなの。だから抜け駆けする子を仲間外れにするんだよ。だから結衣ちゃんの何かが悪いっていうわけじゃないの」 何それ……。私が悪いのかなとか、何かしちゃったのかなとか、不安になって自分の悪いところを必死に探して、死にたいくらいの最悪な気持ちで過ごしてたのに、蓋を開けてみればただの嫉妬? やっかみ?  本当になんてくだらないんだろう。 すると真美ちゃんの言葉が続く。 「だから雛ちゃんも仲間外れにされたんだよ。それでね、『律君のこと振ったら仲良くしてあげる』って言われたから雛ちゃんは鳴海君のことを振ったんだって」 な……何それ。 「えっ……雛は律君のこと嫌いなんじゃ……」 「私が思うに、たぶん好きだったと思うよ。でも仲間外れにされるのはすごく辛かったから、そっちの気持ちを雛先したんじゃないかな」 律君と話す人はみんな気に入らないってこと? それでわざわざ仲を裂くようなこともするの? そんなことしてどうなるっていうの? 何がしたいの? 必死になって自分の悪いところを探してた自分がバカみたい。 沸々と湧き上がるのは嘲笑の気持ちだった。 何がキラキラ女子グループだ。やってることは全然輝いてない。 ドス黒女子じゃないか。 『私、てっきり雛は律君のことが好きだと思ってたんだけど、そうじゃないって聞いたから……私、頑張ろうかと思って』 そしてもしかして私も雛に酷いことを言ったんじゃない?
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加