【4】

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それからの私は、ドーナツの穴みたいに心にぽっかりと穴が空いたようにぼんやりと過ごした。 地味女子グループの話は、好きな漫画のことや好きな二次元キャラのことを異常に熱く語ったり、お父さんの足が臭い話とかお兄ちゃんがエロ動画視聴中に部屋に入っちゃった話とか、全然おしゃれな話じゃないけどクスクス笑える話が多かった。 それがちょっと救いだった。 その頃、沙織が律君と二人で仲良さげに話してる姿を見かけた。 律君のことは今でももちろん好きだから、見ていていい気分にはならない。でももうあんな理不尽な思いはしたくなくて、あれ以来、律君とは話してない。 10年近く続く恋心すら引っ込んでしまうほど、心は荒んでいた。 そんなある日のこと。 「ねぇ、やめてよ!」 里美と雪乃にそう言って詰め寄っていたのは沙織だ。 真美ちゃんから話を聞いていただけに、それを見て「あぁまた始まった。くだらない」と思った。 沙織が輪から外れてポツンと一人でいることも、話しかけて無視されていることも、見て知っていた。 でも見て見ぬふりをした。 だって因果応報でしょ?
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