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僕の友達の他の二人は比較的大きな会社を経営していた。
それに対して僕は特殊技術はあったものの零細企業だ。
真奈美がよく僕の所に来てくれたものだと内心、感謝していたんだ。
娘が一人出来て、僕の両親とも一緒に住んでくれたし、うまくやってくれたのもありがたかった。
結構、さっぱりしているところもあって、一人娘なのに遠くに嫁に行きたいと打ち明けられたとき、あっさり賛成していた。
「淋しくないのか」と聞いたら「所詮、子どもは出て行くものよ」とサラッと言ってのけた。
僕の方が淋しくてガッカリしたものだ。
でもあの子がもしあの日、家にいてくれたら、真奈美の運命は違っていたのかも知れない。
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