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真奈美は週に二回、リハビリに行き、週に三回訪問看護を受けていた。
僕は相変わらず自宅で仕事と介護の日々で段々と疲労なのか何なのか、何かが沈殿していくような気がしていた。
良い夫なら献身的に妻をみるのは当たり前…。
元気だった頃、あんなに優しく愛してくれたじゃないか!
真奈美が可哀想だろ。
お前がみなくて誰がみるんだ!
…僕はこんなことを考えながらこの六年、やって来た。
だけど僕は生身の男なんだ。
この相反する気持ちがドロドロごちゃごちゃ混ざり合って何故か黒いもののように感じる何かで爆発しそうになっていた。
このまま、あとどのくらい僕はこうして生きていくんだろうか…。
こんなことを考える僕は最低な人間だということくらいはわかっていたよ。
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