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そう言うと、彼は口のようなものをすぼめてストローで飲み物を吸うような仕草をします。
言われるがままに彼の真似をすると酸素が肺に入っていくのを感じました。
僕は夢中でそれを繰り返しました。
***
「ここ?まあ、三途の川みたいなものかな」
意を決して投げかけた質問にあまりにもあっさりと答えが返ってきて、僕は絶句しました。
僕がここでまともに喋れるようになるのには苦労を要しました。
【判読不能】と名乗る彼に「ここはどこ?」と尋ねるために必死で呼吸と発声の練習をしたのです。
僕の戸惑いを感じ取ってか、彼は言葉を継ぎました。
「まあ、正確には生きたまま分離した魂が来るところだけど。この世とあの世の間という意味ではそうなんじゃない?」
「生きたまま?」
「うん。だから、君は生きてるんだよ」
「体は現実で、魂はここで」
そう言いながら、彼は地面を叩きました。
すると、そこから薄い影が波紋のように広がっていきました。
「シャボン玉みたいだ」
「え?」
その様子に見惚れている僕を見て、彼は無感情に言いました。
「昔ここに来た人でね、この世界をそう言った人がいたんだ」
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