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受付の横に備えつけられたベンチに座る光莉さん。
私の姿を見ると急いで立ち上がり、名前を呼んだ。
「…あ、綾乃さん…」
「藤山様、大変お待たせしております。もうじき【西條綾乃】が参りますので、応接室へご案内致します。こちらへどうぞ」
「……綾乃さん…」
今の私は、あくまでも【西野聖華】だ。
…ここで私のことを【西條綾乃】と呼ばれると、色々と困る。
しかし…傷心しきったような顔をしている光莉さん。
自分が撒いた種なのに。
どうしてそのような顔をしているのか、全く理解が出来ない。
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