バー

3/3

199人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「光莉さんもぉ…幼馴染がいるなら…婚約する前に言って欲しかったですよぉ…」 「そうだね」 「私だけが好きになってぇ…他の女が1番でぇ…私が…2番…? そんな話…有り得ないよぉ!!」 「そうだね、聖華ちゃん」 久しぶりの美味しいお酒に飲むペースも早まった。 しかも、悪酔いなんかして。考えうる限り、最悪だ。 「マスタ~…もう飲めません…。飲めません…」 「聖華ちゃん、2年前と変わらないね。自分を見失うまで飲んだら駄目だよ」 「そんなこと言わないで下さいよぉ…」 机に突っ伏して、恥ずかしい私。 そんなことを頭の片隅で思いつつも、もう体も頭も言うことを聞かない。 「うーん…和孝くん。もうすぐ上がりでしょ。聖華ちゃん、連れて帰ってあげてくれるかな」 「……分かりました」 そんな会話を聞いたのを最後に、その後の記憶はあやふやになった。 ただ…東郷さんに体を支えられ、どこかへ向かう中で… 「西條さんは、変わらないです…」 そんな言葉が……聞こえたような気がした。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!

199人が本棚に入れています
本棚に追加