別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

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「おすわりひて。」 何日風呂に入っていないかわからない異臭を放つ男が夕実に布団に座れと促してきた。 夕実は仕方なく触ったら痒くなりそうな布団に正座をした。 「優ひくするね。ゆみたん。」 イーっとした口元に見えたのは歯石がこびりつき、う蝕で茶色や黒に染まった歯。夕実にはマスクをしていても、この男の口臭がきついことがわかった。 「下着の上から舐めてよい?」 聞いてくるだけ、まだマシなのか?断れるのか?と、夕実は唾を飲み込んだ。だが、男は夕実の肩を掴んでその体を押し倒し、ワンピースの裾を捲り上げた。 「ゆみたん、もうおばたんでひょ?恥ずかひくらいよね?」 男は舌足らずで、サ行の発音が苦手なようだった。 “さ”は“た”に聞こえ、“し”は“ひ”になってしまい、さらに鼻にかかるナ行。“な”は“ら”と同じ発音になってしまう。 男の顔はすでに夕実の股のそばにあり、その息遣いに夕実の背筋が凍った。骨盤に両手をかけられ動けない。 「若いおんらのこと、違うにほひ。スーハア…スーハア…。スーツ…ハァァァ。かわひいひたぎ…」 股の下に見える男の頭にかろうじて生えている髪にフケがついているのが見えた。 夕実の体はガクガクと震え出す。目には涙が溜まる。 ーーー気持ち悪い。汚い。嫌だ。 そう思うと体は強張り全く動けない。 「きんひょうひてる?ゆみたんはマグロでよいからね。」 下着の上から、男の舌が夕実のヒダを舐めてきた。 「……ぅうー。」 生暖かい虫歯菌だらけの唾液が下着に染み込んでいく。 「きもひい?ゆみたん。」 男は口元からだらしなく涎を垂らし、下着から垂れ落ちた唾液が夕実の臀部へ伝っていく。 「……ぁああぁあ。」 気持ち悪さに体を震わせ小さく悲鳴を上げる夕実。男は、それを感じていると勘違いしたのか、夕実の股を吸引し自らの興奮を高めていく。 下着は骨盤の上にある紐を解けばすぐに脱がせられるもの。夕実は、なぜこんなものを着用したのか。新沼に渡されたまま履いてしまった自分を責めた。 思った通りに男にすぐに紐を解かれ下着を外されてしまった。 「ゆみたん、今度来るときはツルツルにひてきてね。らめやふいかは。おみへのひほにもいっておくね。」 もはや、この男が何を言っているのかは夕実には全く理解できなかった。 男は茂みをかき分け、夕実の芯を乱暴に剥き出しにし、舐めしだき激しく吸引する。同時、爪の伸びた不潔極まりない太い指を2本、夕実の膣に無理やり押し入れた。 「…いっ!」 「もういくの?早くらひ?」 夕実が感じたのは痛みだ。爪が粘膜を傷つけて行くのがわかる。 「…痛い!!」 「ゆみたん、はじめて?ひょじょ?すぐひもひよくなるひょ。」 かき混ぜる指の動きは激しさを増して行く。爪が刺さるたびに激痛が走る。 「いや!やだ!やめて!!」 「うしょ、もっとっていいらよ。」 「いや!!痛い!!やめてー!!!」 クチュクチュと音がし始めるが、それは快感のもたらす愛液の音ではない。傷ついた膣内から流れ始めた血液だ。 「ゆみたん、生理らの?」 男の指には血液が付着している。男は抜き出したその指を舐め恍惚とした表情を見せた。 「…あ、あ、あ。もう、もうやめて。もう、いや。」 「そんらにきもひよかった?じゃあ、今度はこっちね。」 薄汚れたジャージズボンの下、薄汚れた白いブリーフが見えた。男はそれらを脱ぐと、勃起し赤黒く腫れた酷く匂う肉棒を、四つん這いにさせた夕実の性器にめりめりと押し入れ腰を激しく振り始めた。 「ゆみたん、ゆみたんっ。ひもひいい。」 男が腰を前後させ逸物を抜き差しするたびに引き裂かれるような痛みが走る。竿は太く長く本来であれば快楽の産物となる筈だが。 不快な匂いや不潔な環境に潤まない夕実の柔らかい肉襞(にくひだ)は、完全に男の肉棒を拒んでいる。 「ぎゃっ。痛い!やめてー!!やめてえー!」 ーーーこんな悪夢が、現実だなんて。 夕実は、不潔で痛いだけの性交渉に身を震わせた。涙が流れるのを止められない。 「いや!!いや!!いやああ!!いたあああい!いたい!いたい!いやああっ!!やめてー、やめてー!!痛い痛い、痛いー!!!」 夕実の悲鳴を気にも留めず男は自分本位に腰を激しく前後させる。 「ゆみたん、キツイ。ひもひい。ひう。イクイク。っあーっうハァあー。」 男は自分の指を舐め、夕実の肛門にその指を押し込んだ。 「ぎゃあああ!!」 「アナルひもひいよら、ゆみたん。」 地獄の痛みを肛門括約筋に感じる。男の爪が直腸を傷つけているのも分かる。広がらない肛門を無理やりこじ開ける指が増える。 男は夕実の膣内に欲を半分吐き出したと思えば、抜き出した逸物を肛門へ無理やり打ち込み、残りの欲を全て吐き出すように腰を揺さぶった。 「やだ!!痛い!やめてよぉお!!いやよ!ぁああああー!!」 夕実の肛門に亀裂が入り滲み出る血液が男の精液と共に太ももを伝った。 「あー、きちゅくてひもひー。ゆみたんのアナルひもひー。ぁあーん、んあー。」 男は夕実から精液を出し切った逸物を抜いたかと思えば、夕実を仰向けに布団に転がし自分の精液と夕実の血液で濡れそぼる尿道を舐め始めた。 「ゆみたんのおひっこ飲まへて。」 膣内に指を入れられた。溢れ流れてくる精液の漂白剤のような濃い匂いと、傷つけられた膣壁と肉襞そして裂けた肛門の痛みに吐き気を生じている。 夕実は膣内から激しく尿道を刺激され、男が夕実の股に貪りついた瞬間。その口内に放尿してしまった。 「…ひっ。やっ。」 男はゴクンと喉を鳴らし、夕実の尿道を舐め上げ、その上の芯をしつこく吸引した。それに対しては、夕実の体は身震いを起こし、頭で拒絶しながらも絶頂を迎えてしまった。 「…ぁ、ハァアッ。」 下腹部が収縮するのを感じ足をモゾモゾと動かした。 「ゆみたん。今度、尿道カテーテルひてあげるね。気持ち良いから、たのひみにしてて。」 痛みで不潔なシーツの上、気を失いそうになる夕実を、男は良い獲物を捕まえたかのような顔で見下ろしている。 「次は指名ふるへ。」 床に転がっていた長財布から男が2万円をだして夕実が持ってきた集金ポーチに勝手に入れた。 「今度は、ゆみたんのふがおが見たいな。」 男は夕実が持ってきた集金ポーチに入っていた領収書にさらさらと自分の名前と金額を記入して〈お客様控え〉をちぎり、部屋のゴミの中に一緒に混ぜた。 夕実は、その光景を気を失いそうになりながら眺めている。 「あ、ゆみたん。かえりたくらいの。やっぱり延長ひてあげふ。たくたんらめてあげふ。おひっこがぶのみさへて。」 男は、欲に飢えていた。 夕実は気持ち悪さに体をこわばらせ男に股を舐められ続け、尿を飲まれ続け、肉棒をなん度も差し込まれ、性器の中に精を吐き出され続けた。
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