別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

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「ぁあン、ィイっ。きもちぃ。もっとぉ。もっとぉ。ァああん、イクイクイク、んっ、あっ、あん、あん、あん、イクイクぅうー。」 カーテンで仕切られただけの店内。自分たちの話し声も、他の人たちの話し声もまる聞こえだ。 その一角。裸で男の上に跨って腰を振り乱れているのは、痩せ細り正気を失った杉田夕実。 「あー、ゆみちゃん、イイー。きもちいー。もっと、もっと下の口締めて。」 夕実は膣に男の肉棒を咥え込み、体を前後上下に振り乱しながら男を愉しませよがっていた。 「ん、んー、こう?ぁあーあ。ぁん。なおやぁ。」 「んん?誰ー?俺、マサヤだよー。」 気を抜けば直哉の名前を口にしてしまう。夕実は興奮がピークになれば、どんな男と体を交わらせようと直哉を思い出す。 「夕実の……へへへー。おもちゃちゃん。」 「えー、妬いちゃうなあ。」 「じゃあ、マサたん、夕実をもっと幸せにしてー。」 「わかったー。ゆみちゃんのクリちゃんとアナル、おもちゃで攻めてあげる。最後にアナルにも入れていい?」 「夕実、お尻でするの大好き。マサたんの入れて気持ちよくして。」 夕実は、店舗型性風俗店の利用客に好き放題に体を開発されていた。というのも、夕実は薬物まみれになっていたから。 店の休憩時間には覚醒剤を打たれたり、合成麻薬を吸引したりしている。 意識の朦朧とする中、客を取らされている。夕実が客を選り好みしないためだ。 「ぃやぁん、ぁふーん。イク、イク、あぁん。お尻奥までもっと、やぁぁああん。イイ。クリちゃんきもちぃ。あ、あ、あ、あ、んーあん。ハァハァ。やっ。ああーぁんああんあぁああー。んあんあんあーん。」 夕実の悶絶する声は、店舗内に響き渡り他の部屋の客をも興奮させていたらしく、杉田夕実を指名する客はどんどん増えていった。 「なんやー、おねえちゃん、きょうもえらいとばしとんなー。上の口も下の口も涎ダラダラ垂らしとんやろーなー。はははー。ええ、拾いもんしたわー。幸せそうでなによりやあー。 おねえちゃん、気持ちええの好きやからなー。」 夕実を拾い、薬漬けにした男が夕実の声を聞きながらニタニタと口の端を上げ、タブレットをいじる。 「おねえちゃん、売り上げいちばんやなー。おーおー、次も、指名はいっとるやないのー。ええなー。ご褒美にお薬追加せんとなー。」 夕実は、薬でふわふわとする意識の中で、膣や肛門に打ち込まれる昂った肉棒に体を揺らし、幸福感に包まれていた。快楽に溺れ、幸せホルモンが頭と体を支配する。 入院していた病院から飛び出して、「直哉、直哉」と声をかけた男に拾われた。今では望み通り毎日毎朝、毎夜毎晩、見知らぬ男性客に抱かれているのだ。 夕実は全ての客のどんなセックスも受け入れて涎を垂らして愉しんでいる。 発射された精液を受け取る場所が顔であれ、腹であれ、膣であれ、直腸であれ、夕実には悦びでしかない。 「ゆみちゃん、お尻キツイ気持ちいい。」 「あーぁああん。夕実もお尻気持ちいい。アツぃ。イイ。気持ちィイ。精液お尻にいっぱい飲ませてぇ。」 杉田夕実は狂ったように腰を振り、お客の肉棒を出し入れする。 ーーーねえ、直哉。私の勝ちよ。 夕実はどんな客を相手にしても、絶頂を何度も迎えて、その度に幸福感に包まれた。これ以上の幸せなど存在しないと思うほどに。 ーーーだって、見て。直哉。今、私ね。 「ゆみちゃん、エロエロだね。好きだわぁ。」 「夕実もマサたんしゅきぃ。もっとちょうだい。アツいの膣にも出してぇ。ほちいほちい。」 「あーかわいいねー。よしよし、あげるあげる。」 ーーー男達にちやほやされて最高に幸せなの。 〈了〉
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