別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

唐沢直哉は実家を担保に金を借りている。
初めの借金は、ほんの10万円程度だった。

違法賭博海外サイトに手を出し始めて、会社からの給料は一瞬で泡となって消えた。キャッシングした10万円も然りであった。

消費者金融で借りられる金額はすぐに限度額まで上り詰めた。この時すでに3件の消費者金融から金を借りていた。そこで比嘉結菜から紹介されたのがアンゼンローンだった。

アンゼンローンから借りた126万円を消費者金融に返すと、今度は10万円程度ずつをアンゼンローンから借りてギャンブルサイトに注ぎ込んだ。

闇金には限度額がない。
気がつけば利子もついてあっという間に、その額1800万円。

実家の評価額を超えた。

唐沢直哉の母は自分の家が借金のカタに入れられていることを知らなかった。

ヤクザが実家の前を彷徨く(うろつく)ようになり、直哉は母親から縁を切られたのだ。

こんな話を口にできるわけもない直哉は……。