別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

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常務取締役室は、2階のフロアにあり、少し奥まっている。 あまり一般職の社員が寄りつく場所ではない。 杉田夕実は乃村の机で脚を開き、乃村はそこに顔を埋め、舌を這わせる。 剥かれた芯を刺激され、夕実は背をのけぞらせ腰を振るわせる。 「……っあぁ。」 我慢すらせず声を漏らす夕実に乃村の下腹部の中心が疼き出す。 「若い唐沢くんよりいいか?」 勃ち始める芯を乃村に吸い上げられれば、夕実は身を震わせる。 「どうだ?」 夕実の湧き出す愛液に乃村が舌を這わせ唾液か愛液かわからない液体が夕実の尾骶骨を濡らしていく。 「…っあっぁあ…っん。イっ。いぃ。」 乃村が愛液の溢れるそこに指を沈めていけば下腹に力を込める夕実。膣内を乃村の太い中指と薬指が激しく掻き乱す。 「…お願いします、…もっと。もっと。」 夕実はお腹の子のことなど全く考えず、自分の快楽に溺れていく。膣内に外の芯に刺激が与えられることに悦びを覚える。 「夕実、どうした?こんなに乱れて。」 乃村が芯に親指を強く押し当て振動させれば 「…ぁあっ、いいっ。いいっ。お願いします。もっと、ったく、さん。お願いします。…ぁっ。イっ。ク。イっ、やっぁあ。ぁあ。」 乃村の指を咥え込んだ膣が収縮しはじめる。 「乃村さん、乃村さんの、欲しい……ぁあ。欲しいぃいんです。」 乃村はスラックスと下着を下げ、夕実を机から引き摺り落とした。 「夕実、咥えなさい。」 「いただきます。」 夕実は蜜をダラダラと垂らしたままの自身の下半身を気にすることなく、乃村の腫れ上がった雄を喉奥まで咥え込んだ。 乃村に頭を掴まれ、夕実は顔を前後させながら息を漏らしている。 「いやらしい妊婦だ。夫がいながら他の男のモノを咥えて。」 夕実は乃村の鈴口に舌を押し付けてから吸引していく。ただ、欲しい欲しいと思っている。 直哉から得られなくなってしまった愛を得たい。快楽と同時に、何番目でも構わないから愛を得たい。 直哉を失ったのなら乃村から嘘偽りでも構わないから愛が欲しい。見せかけでも、ただの物欲でも構わない。愛を与えて欲しい。私を求めて欲しい。直哉に愛されなくなった可哀想な私を救って欲しい。 激しく抱いて満たして欲しい。快楽が欲しい。 乃村が、夕実の口から雄を抜いた。夕実の手を机につけさせ尻を持ち上げた。 「夕実、お前が欲しいのはコレでいいか。」 愛液と唾液で濡れているそこへ乃村が自身の先端を押し込んでいく。 「…ぁあっ。アツい、イイっ。…お願いします。奥に欲しいの……もっと入れてくださいぃぃ。」 背後から攻められ奥に捩じ込まれる熱を受け止める。 肉と肉がぶつかる乾いた音に加え、夕実の中で溢れ出す愛液がかき混ぜられるたびクチャリクチャリと音がする。 直哉の淡白な適当な挿入とは全く違うと感じる。 「もっとください。もっと激しくくださいっ。」 乃村は夕実に言われるまま激しく腰を振り、夕実の膣内を奥の奥まで刺激する。 子宮口に何度も何度もその先端を打ちつける。 「ぁあぁ。…んっぁあああーはぁぁああ。イイっ。ぁあん。ぅっあん。あっあっあっ。イイ。もっと。もっと。くださいっ。くださぃいっ。 乃村さん、…はぁ…ん。」 背中をのけぞらせ脚を振るわせる夕実の芯を乃村の指が擦り上げる。 「これがたまらないんだよなぁ。唐沢くんはしてくれなかったのか。夕実の乱れる姿、見てくれなかったのか?」 「…ンァああっ。ぁあーん。んん。直哉…直哉…は…。してくれなくて。見てくれなくて…。つまらなそうに。……ぁあーん。ぅっ。き、ぃくっ。直哉ぁ。直哉ぁ。ぁあーぁあん。」 乃村を相手にしながらも、乃村の一言で、夕実の頭には直哉のつまらなそうな顔が思い出されて。 夕実の視界が歪んでいく。 「直哉ぁ……なんで、私を見てくれなくなってしまったの?……直哉……んぁあ。ぅイっ。あ、ん。」 乃村が、夕実の顔を自分に振り向かせ 「かわいそうに。こんなに傷ついて。」 夕実が流した涙に沿って唇を夕実の顔に押し付けた。 「…唐沢くんには、失望したよ。夕実を満足させられないとはな。」 己を夕実に幾度も打ちつけ、激しく腰を振る。夕実は、その快楽に溺れ秘部を収縮させ、乃村の熱い肉棒を膣で締め上げた。 「ぁあっ。ぃッイく…んっ。ぁああぁ。んっ、あっ。はぁぁあ…んっくっん。」 下腹部の奥がドクドクと脈を打っている。 「達したか。夕実、中に出してあげよう。満たされなさい。唐沢くんにはしてもらえないだろ。」 「…ハァ…ハァお願いします。たくさん飲ませてください。」 夕実の膣内で、乃村の熱い精液が噴射された。陰茎が脈打つたび熱が放たれ、夕実は満たされていく。 「ぁあ。んんっ。ゃっ。……気持ちいい。アツい。ん。ぁあ。ぁああん。っはっ、ん。…ゃぁ…あ、んぅう。ぁ。っ。…乃村さん、ありがとうございます。アツいの、たくさん、いただけて幸せです。気持ちいい。気持ちいい、乃村さんっ。ぁ。」 「まったく役に立たないな唐沢くんは。」 夕実は、満たされた思いがした。 相手が絶対に手に入らない乃村であることには変わりないのに。乃村にとって夕実はただの愛人でそれ以上にはなれないのに。 直哉が義務的にしていた行為とは180度違う乃村との行為。 夕実はこのまま、直哉のことなど跡形もなく忘れてしまえればいいとそう思ったのだ。
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