別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

6/142
前へ
/143ページ
次へ
比嘉結菜24歳。 ランジェリーショップスタッフ。 唐沢直哉27歳との出会いは、2年前の合コン。 唐沢直哉は杉田夕実と付き合って1年。常日頃匂わせてくる結婚の二文字から逃げたいと思っていたころ。 「やっぱ、下着屋さんが着てる下着はオシャなの?」 周りの男たちは、比嘉結菜にそんな言葉を投げていた。 「えー?見たいですか?」 なんて胸元をチラリと覗かせながら料理を取り分けるその姿を、唐沢直哉もチラッと見ていた。 「え、結菜ちゃん。まじエロいわ。」 男が野太い声で興奮を隠さず直接的に声を上げれば 「私、エロいってよく言われますー。」 比嘉結菜は、体をくねらせにゃんにゃん甘ったるい声を出した。 唐沢直哉は、杉田夕実とは正反対な比嘉結菜に驚きながらも、その声や仕草から目が離せなくなった。 沼にハマるまでにわずか30分。 気づけば、唐沢直哉と比嘉結菜はキングサイズのベッドでヒーリングミュージックが流れる中、お互いの欲と体液に塗れていた。 体の相性、果てるタイミング。互いを愛でも恋でもないもので結びつけるには充分なものだった。 「下着、めっちゃエロかった。」 「ほんとう?0.2秒しか見てなかったよ。」 「脱がすの興奮した。」 「え?彼女は。」 「全然興奮しない。てか、彼女とのセックスは義務みたいでイくまで苦痛。下着も安物でババァみたいだし。正直、萎える。」 「あらら。かわいそう。よしよし。 じゃあ、いつでも脱がせてあげるよ。」 「いいの?また、シてくれる?」 「うん。だって直哉くんの、また食べたい。 おっきくてぇ、大好物になっちゃった。ねえ、彼女にバレないように会いにきてね。」 比嘉結菜は、人のモノに手をつけたい女。唐沢直哉は自分の性処理には好都合なのだ。 言葉巧みに唐沢直哉を自分の沼に嵌めていった。 こんな男もこんな女も碌なもんじゃない。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加