別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

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『我慢しなさい、お姉ちゃんなんだから』 ーーー大事なおもちゃはいつもいつのまにか弟のものになった。本もゲームは全て私だけのものはなくて弟と共有で。私は我慢するのが当たり前だった。 『夕実は大学に行かなくていいでしょ。女の子だし。雄次は男だから絶対行かせてあげたいの。我慢して、長女なんだから。』 ーーーー母はいつも弟を優先した。姉である私はいつも、弟に全てを奪われていた。 『どうしてそんなにわがままなのよ。あなた、長女なのに。誰が学費を払うと思ってるのよ?雄次が行けなくなったらかわいそうじゃない。』 ーーーわがまま?何故、私は優先されないのだろう。私は大学に行けなくてもかわいそうじゃないのだろうか。 会社を休んで数日。 夕実は、思い出したくもない記憶が蘇ってはその頃の両親に対し疑問をぶつけていた。
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