別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

85/142
前へ
/143ページ
次へ
「んんっ。ァッあっ。んっんっ。ぃやぁ…ん。」 杉田夕実が、腰を揺らし身悶えながら 「もっと、もっとしてぇ。」 と、深池祐樹を恍惚とした顔で見つめる。 体温の無い物質が及ぼす快楽を夕実は雌の体で味わい尽くそうとしている。 「ねえ、もっとぉ。……。ねえ、お願い。奥がイイからぁ。…ぁぁん。っん。」 深池祐樹にバイブでの刺激をせがみながら、己の指では剥けて露わになり勃ち上がった芯を擦る。 「ん、ぁっ。ねえ、ここ、あなたも触って。ここ、好きなの。ここ。お願い。ねえ。んっ。あっ、ぁあっ。」 夕実が脳みそが溶けてしまったかのような顔で深池祐樹を見つめている。 深池祐樹は無表情だ。杉田夕実の雌の性器には死んでも触りたくないと思っている。 「唐沢直哉の借金、返す気あるのか?俺はお前の欲を満たすためだけにこんなことしてやってるわけじゃ無い。」 深池祐樹は夕実の中で唸るバイブの振動レベルを最強にする。流石に粘膜に擦れて痛いくらいの強さだが。 「…ぁあーん。ぃやぁ。ぁあ。ぁあああ。っん、っん、っん、ぃっ。イッ。ク。ゃ、あ。イくぅ。」 夕実は涎を垂らし声を掠らせながら、体を震わせている。 「イクっ、イクっ、イクぅぅうー。ぃやぁあん。」 違う女ならその女が達する瞬間、自分も抜けるのだが…と、深池祐樹は思う。 全く、反応しない己にいかに杉田夕実に対して引いているのかがよくわかる。 杉田夕実がビクビクと体を震わせた。 「ぁああぁあーっ!!ぃやあ…ぁ、ハァ。ハァ。もう、抜いて…。ねえ、イッたから。中ひくひくするのぉ。触ってお願い。あなたのちょうだい。熱いのが欲しいの。入れてよ、あなたの…お…」 杉田夕実が体と膣壁を震わせながら、身を触っていたその手で深池祐樹のベルトに触れた。 瞬間。深池祐樹は、杉田夕実の頬を平手打ちにしていた。何往復殴ったかわからない。 「ババア。とっとと金返せ。」 凄みの効いたその声を聞きながら杉田夕実は、鼻で笑った。 「ふふ。ねえ、もしかしてあなたEDなの?だからできないんでしょ。若いのに。可哀想ね。全然固くならないわ。」 深池祐樹の垂れ下がっている陰茎をスラックスの上から撫でて、夕実は口の端を上げた。 「コレ。ちっとも役に立たないのね。かわいそうね。」 深池祐樹は、杉田夕実のその顔面を無表情で膝蹴りにした。何度、膝が口元にクリティカルヒットしたか覚えてなどいないほどに。
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!

52人が本棚に入れています
本棚に追加