別れたい女たち 〜恋は愚か愛は憎しみと紙一重〜

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女も子どもも関係ないのが深池組だ。 深池祐樹に散々膝蹴りにされた杉田夕実の顔は腫れ上がっている。深池祐樹はその髪を掴んで引きずるようにして杉田夕実を車のトランクに押し込んだ。 杉田夕実は裸体のままトランクに押し込められ、暗闇の恐怖に震え、顔の痛みとアルコールで朦朧としながら失禁した。 夕実は自分のあたたかい尿の匂いが漂う中考える。 ーーー私は一体、どこに連れて行かれるの?これは誘拐? 今の自分には助けてくれる人もいなければ安否を心配してくれる人もいない。 このまま、どこか山奥に埋められて発見された頃には白骨死体になっているのだと考えた。 どうせ、死にたかったのだ。ちょうどいい。 衣服を何も纏わず、おそらく撲殺され埋められる。 ーーー私の人生ってなんだったのかしら? 車が止まって、トランクが開いた。 深池祐樹の隣にもう1人男がいる。 その男が夕実の顔に手を伸ばし、顎を持ち上げた。 「祐樹、こんな腫れた顔見ながら抜けると思ってんのか?鼻、まがってねーか?つか、この女、お漏らししてるぞ。オヤジの車だぞ?怒られちまうんじゃねーか。」 「知らねーよ。」 夕実は、裸体を晒している。深池祐樹ではない男が、夕実の乾いた性器に指を這わせる。だが、夕実は抵抗するどころか
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