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ドアとソウスケの間に挟まれ、メイは身動きが取れない。顔を真っ赤にしながら見上げるメイにソウスケが言った。
「なぁ、そんなに俺とバトルすんの嫌?」
「ふぇ?あ……その、えっとぉ……」
真っ赤な顔のままボソボソと答えるメイの様子に、ソウスケは意地悪く笑う。そしてそのまま顔を近づけて言った。
「へぇ?俺の顔みて喋れないくらい好きなんだ?」
「っっ!!尊いっ!」
妖精サイズのメイは迫り来るドアップの推しの顔に感嘆の声を上げた。その反応が面白かったのかソウスケは笑う。
「あははっ!面白いなあんた!」
「ぎゃぁぁ、推しのスマイル!目が死ぬうう!お願いだからもう許してぇぇ」
メンタルの限界がきたのかメイはまたしても魔法解除してしまい、案の定目の前のソウスケをまた押し倒してしまった。
「ほんっとすいません!悪気はないんですぅ!」
メイはソウスケの横で深々と土下座をし半泣きで謝る。そんなメイに苦笑しながらも、彼は言った。
「いや、俺も悪かったよ。ちょっとからかいすぎたな」
「いえ……あの、それはご褒美というか拷問だったといいますか……」
「どっちだよ」
笑うソウスケにメイはようやく顔を上げた。それでも直視はできずに、視線は逸らしたまま。そんなメイにソウスケはニンマリと笑みを浮かべて「なぁ」と優しく声をかける。
「あんたさ、魔法塔で何してんの?俺はこないだはメンテに出してた魔法槍を取りに行ってたんだけど。あそこで学園の奴に会うの珍しかったからさ
」
「えと、私はその……一応研究員として働いてます」
メイは素直に答えた。するとソウスケが目を輝かせて言った。
「へぇ、すごいな。俺勉強の方はからっきしだからさ。難しそうなのに、よくできんね」
「まぁ、その……私はやらなければ命に関わるものでして」
「ん?なんで?」
「ええと、その……」
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