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こんな意味のないやり取りをしながらもお互いに仕事は山積みで、文句を言いつつも捌いていくメイ。
「あ、そろそろ“チャージ”の時間じゃないの?」
「あ、本当だ。やってきますねー」
先輩に気付かされたメイは席から立ち上がると部屋の壁に設置される電子パネルの前に行き、そこに片手をかざす。すると淡く光だし何秒かして『チャージ完了』です。という機械の音声が聞こえた。
「つくづく厄介な体質だ」
メイはそう、呟いた。それが聞こえたのか先輩は「いやいやぁ」と手をひらひらさせて訂正してきた。
「この魔法塔が快適なのもぜーんぶ月宮の魔力のおかげだよ」
「やん、お優しい。もしや明日はハリケーンでは?」
「うざっ」
笑い合う二人。そう、先輩の言葉通りこの魔法塔の設備を動かすにはメイの魔力も吸い取られていた。なんでも魔法を使う便利な反面、一度魔力が切れれば即お飾りのガラクタになる。それは人や物どちらも同じ。
そうならないように、魔力切れを起こさないように各々が気をつける。
だいたいは自分の魔力量をランクで知ることになりそのランクにはS〜Cで分類され、Sが高く最強の部類でありCは凡人クラスの魔力量を核から生成、保つということになる。
「でも本当俺たちは助かるけど、本人からしたら厄介だよねぇ、その体質」
呑気に先輩が言う横でメイも「まぁ、そうですねえー」と他人事だった。
「生まれた時からの付き合いですしね」
「魔力切れとは無縁の魔力生成無限大お化けだもんね」
先輩に変な呼び名をつけられメイは苦笑いした。
そう、その通りなのである。メイは一般人より魔力の核が大きいのか、生成する魔力が多く、またいっぱいなのにどんどん作ろうとする体質のため外に放出しないと体内で魔力爆発が起きるという、厄介な体質もちだった。
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