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「そりゃあちょっとはお楽しみ要素がないとね」
「どーすんですか!ゾンビとかのカードだったら!誰も変身しませんよ!」
「いやいや、そこはノリで使うはずよ、たぶん」
適当なことをいう先輩にメイはうわぁと思いつつも自分が何のキャラを引いたのか気になった。ゴクリと喉を鳴らして詳細を見る。そこに描かれていたのは、可愛らしい妖精。
「やったぁぁぁぁ!フェアリーゲットおおおお!」
「おおお、可愛らしさ断トツの子じゃん。よかったね」
「本当によかったです。ではではさっそく……こうかな?」
メイはカードをセレクトしてチェンジのボタンをタップした。するとスマホが光だし指先を伝ってメイの体も光った。その光が全身を包み込みーー数秒後、オレンジベースの妖精サイズのメイがふよふよと浮いていた。
「成功だな。ほれ鏡」
「どんな感じです?んん?あれ?これカードのキャラまんまじゃなくて本体をベースに変身作用します?」
「そりゃあみんな同じじゃあつまらないでしょ?大まかなジャンルわけを選んで、色とか髪型?とかは本人がベースになるようにしてあるよ」
先輩の言う通り妖精姿のメイは基本的に服が妖精ぽいのとサイズが縮んだというくらいの変化しかなかった。
「でも浮遊アイテムなしで飛べるのは楽しいですね」
メイはオレンジの羽をパタパタさせて好き勝手に飛び回る。それを見て先輩が注意事項を話し出した。
「魔法は威力が大きいものほど魔力を消費するのは基本だけど、使用時間が長い場合もそれに等しいからね。いくら変身魔法で威力が小さくてもずっと使用してたら魔力を消費するから魔力切れに気をつけて……ってアプリがリリースされたら告知されるけど、月宮には関係ないか」
「そうですねぇ。どちらかといえば、何かの拍子に魔法解除にならないようにって方ですよね」
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