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ハハっと笑うソウスケにメイのハートはブレイク寸前。もうキュンが止まらない。その心の乱れがよくなかった。魔法は精神も大きく作用する。だから、今のメイは魔力コントロールできずに、呆気なく魔法解除になってしまった。
ボンっと大きな音を立ててメイは元の姿に戻る。その際にソウスケの近くにいたのがまずかっのだろう。勢いよく彼を押し倒して、体に馬乗りに乗ってしまっていた。
「は?人?」
「ぎゃあああああ!ごめんなさーーーい!!」
あまりの事にメイは驚くソウスケの上で叫び、そのまま一目散に逃げだした。
その時に学生証を落としたことに気づかず、ソウスケがそれを拾う。
「へぇ……月宮メイ、ねぇ」
学生証を見ながらソウスケはニヤリと笑って呟いた。
月宮メイは走っていた。それはもう全力で。そして部屋に戻るとその場にへたり込んだ。
「はぁ……っ!やっちゃったぁぁ!」
そう叫んでから頭を抱えて悶える。まさか推しにぶつかるなんて、しかもその推しを押し倒して上に跨ってるなんて!
メイの奇行をみた先輩は多少驚きつつも「飲み物は?」と平然と聞いてくる。そんな彼をメイはキッと睨みつけた。
「そんな場合じゃないんですよ!魔法解除しちゃたんです!推しに出会ったがために!!」
「推しって、あの日野ソウスケ?いつもストーカーレベルで行動把握してはぁはぁ言ってる相手のこと?」
「ぎゃぁぁ!やめて!言わないで!」
騒ぐメイを一瞥して先輩は仕事を進める。
「お近づきになれてよかったじゃん。魔法学園でもクラス別だから遠目で観察してるだけだったんでしょ」
「推しは眺めるから幸せなんです!対面したら思考パニックしちゃうんです!ときめいて!」
「うわぁ、やっぱり思考がストーカーなんだよなぁ」
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