Magic1:出会った2人

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Magic1:出会った2人

 魔法。それは夢の世界の話ではない。この現実社会に当たり前にあるもの。  人にはそれぞれ魔力がある。魔力は体内の核で生成される。心臓に近い部分にあることから、第二の心臓とも言われている。  誰もが魔力の核を大なり小なり体内に持っているこの世界は、当然魔法職というものがあり、魔法騎士から魔法師という戦闘専門の職業から普通の一般職まで幅広い。  当たり前にみんなが魔法を使う為に、溢れた魔力の掃き溜めから、魔物が産まれる。それが普通であり、それと戦うのも普通。だからこそ、魔法騎士や魔法師の待遇はよく、人気な職業として学生の間でも話題である。  魔法が当たり前なのだから、魔法学園なんてものもあり、普通の学校教育に加えて魔法を専門とした授業がある。  そんな魔法学園に通う月宮メイという女子は、魔法騎士や魔法師になりたいわけではなかった。寧ろ、魔法で戦うなんて嫌だというような部類の人間である。  それなのに、なぜ彼女が通うのか。それは彼女の魔力の核のせいであった。 「もおおおおお!疲れたぁぁぁ!」  魔法塔という研究施設の一室に響く声。項垂れる声の主は疲れ切っているのか目の下にくまがある。若干ベリーショートなオレンジ茶髪に黒目の瞳。一般的な女子よりも背の高い166cmの彼女の名前は月宮(つきみや)メイ。17歳の魔法学園の2年生だ。  そんはメイは自分の体質もあって魔法塔で研究員として働いていた。 「労働が辛い……もう、寝たい」 「さすがに2日完徹は俺も無理だわぁ」  机に項垂れるメイの横で先輩らしき男がエナジードリンクを飲んでいた。それを見てメイはぎょっとする。 「先輩まだ働くんですか?私らもう屍ですよ?アンデッドですよ」 「それなら俺ら魔法騎士や魔法師に退治されるわな」 「いやぁぁぁぁぁ」
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