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シエナと魔法槍術指南
王都グランタリスの高級住宅街で、友人とティータイムを済ませた後の帰り道。
友人の屋敷を出た時にはまだ夕焼けだった太陽はとっくに沈み。
王都の門を抜けて、街道に出た時には既に夜になっていた。
そんな夜の空に。
突然。
一筋。
眩い輝きが、迸る。
同時に。
街道から見える森の先に
バチリと稲妻が散った。
「いなずま……? 雷属性の魔術……?」
このまま街道を抜けて、自宅のある領域まで戻ろうと思っていたけれど。
私は紡ぐ――!
「比翼連理たる光、今、表裏一対の理を示す――魅透せ、光無き世界――『暗視能力付与』」
私は、月の魔術で、暗視を施した。
最悪の場合、術師が魔物に襲われているかもしれない、という懸念がある。
少し気になって、私は森を目指してみることにした。
街道から逸れて、森へ続く脇道へ入る。
そしてすぐに後悔することになった。
歩き辛ッ!
これでは急ぐに急げない。
草原の合間を縫うように歩く道は、デコボコの悪路だった。
とはいえ、街道から外れにある道は整地も舗装もされていないのが普通のため、それは致し方が無い事なのだが。
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