シエナと魔法槍術指南

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 私がその巨体の全容に、驚いた。  その時。 「黒竜派(こくりゅうは)壱式(いちしき) ――『神成爪禾(しんじょうそうか)』!!」  雷鳴と共に、二日月(ふつかづき)を象る斬光が、三重の軌跡を描いて迫り来る。    咄嗟に、私は動いた。  「――逸らせ、空蝉(うつせみ)嗜虐(しぎゃく)――『弾道歪曲壁(バリスティック・コンフュ)』!!」  重属性の魔術式で軌道を逸らす。    術式の強度と即応性を両立させるために、なんとか固有節と名称節による術式宣言を間に合わせた。  それで、まるで爪を思わせる三つの斬撃は、狙いを逸らされて地面に穿たれた。  ずどん、と物理的な威力で土砂が舞い上がり。  迸る雷の威力が衝撃となって周囲を震わせる。  しかしながら、そのすべての余波をも。  私の魔術は何一つ寄せ付けなかった。
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