シエナと魔法槍術指南

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「こんな夜に、こんな森の奥まで……ですか?」 「魔術師なんでしょ、あんた? ギルダーの差し金じゃないでしょうね?」  ハルバードに、バチバチと稲妻が奔る。  これは脅しだ。  下手なことを言ったら、手練れの魔術師二人の相手をすることになる。  それは面倒くさい。  特に、(ごん)と雷の魔術師は、対応できる火と熱の属性が調達困難なため、簡単にはいかないのだ。 「ギルダー? 一体何のことですか?」    私は答える合間に少女たちを観察する。  金色の娘が着けている両手のガントレットの甲に、雷属性の結晶(クリスタル)がハマっている。  いざとなったら、それを狙って破壊できないモノかと考える。  握るハルバードは『(ごん)』の魔術で作られたモノなので一瞬だけなら解呪(ディスペル)で、消すことが可能なはず。    ゴーレムも対策されていないのなら解呪(ディスペル)で解除、もしくは行動を一時的に停止か混乱させられるだろう。  そんな視線が訝しげに見えたか。  ゴーレムが動き出す。  ずしんずしん、と音をたて。  抉られて吹き飛んだ一部の地面を。  その自重でさらにへこませながら。
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