シエナと魔法槍術指南

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 巨体が私の視界を遮った。  私の意図に気づいたのかどうかはわからないが、金色の娘を守るような行動に見える。  さらに近づいた頭上から。 「とても若そうに見えるけど……。何処の所属ですか? 魔術師ギルド? それともニルヴァーナの生徒?」  銀色の娘の問いかけ。  私は、精いっぱいの笑顔で人畜無害をアピールしつつ。 「私はフリーの魔術講師ですよ。学園ともギルドとも無関係です」   「フリーの? 講師ってことは先生? その若さで?」 「ええ? ちょうど今、仕事も無くて困っているんですけどね?」  「へえ?」 「確かに、校章は見えないですね」 「どう思う? スールア」 「シエナは?」  どうやら、金色娘はシエナ、銀色娘はスールアという名前らしい。  ゴーレムが距離を取り。  そして槍の穂先が引っ込んだ。  警戒が緩んだようだ。 「いちおう聞くけど、あんた名前は?」 ハルバードを肩に担ぎ直しつつ、金色狐娘(シエナ)に問われる。 「セナ・アダストラです」 「ふうん、確かに、学園の先生にそんな名前は居た記憶が無いけど……あんた、ただの術師じゃないでしょ?」 「若く見えるけど、技術は本物みたいですね。あの一瞬で、防御の術式を組み上げてましたし」 「まぁ、教師ですからね。 ――それより、良かったらそちらが何をしていたのかも、聞かせていただけません?」
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