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「“Come”」
言葉だけを投げられて、ハルの様子を窺いながらそろりと足を出す。
新たなコマンドは飛んでこない。
ハルはプレイ中に僕が歩くのも咎めてくることがあるが、今日は大丈夫らしい。
ハルの真ん前に立つと、ハルはゆっくり僕の身体を見つめる。
絡みついてくる視線を感じて羞恥に震えると、
「“Present”」
ハルはコマンドで僕を縛った。
これを使われたら僕は身体を隠せない。
なかなか日に焼けない白い肌も、体毛が薄くてほとんどない脇も脛も……下半身も。
「何もしてねぇのに……何で勃つんだろーな?」
笑われてもそのままで居るしかない。
フーっと息を掛けられて身体を震わせてしまうと、ハルはケタケタ笑う。
「センセにも見られて……嬉しいか?」
聞かれてフルフルと首を横に振った。
「一人で勃起して先走りまで垂らしてんの丸見えだぞ?ね?センセ!」
「こっちに振らなくていいですから」
カチャと眼鏡を上げて先生がため息を吐く。
それを見てハルは僕の身体を抱き寄せていた。だが、
「えー。でも、翔馬はこういう恥ずかしいのも悦んじゃうからさぁ……」
不意にピンと指で先端を弾かれて呻く。
「ちゃんと見ててよ?」
「見てますよ。仕事なんでね」
楽しそうなハルと淡々とした先生。
その口調が尚更羞恥心を煽られる気がする。
この部屋で僕だけ全裸で勃起し、先走りまで垂らしている現実。
Subでなければこんな先生にも見られながら恥ずかしい思いをすることもないのに……思いながら、この背徳的な行為にドキドキもしていた。
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