不調

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「「おはようございます!」」  竜也先生と職員室に入って机に向かう。  竜也先生は四年三組で、僕は四年二組で席は隣同士。  向かいの席に居る四年一組担任で学年主任の猪俣(いのまた)先生にも挨拶をして、軽く今日の流れを確認する。 「じゃあ、これで算数は全部テスト返却終わる?」 「そうですね。しかも、これで全教科終わりじゃないですか?あとは確認テスト不合格の子だけ……」  竜也先生が名簿を開きながら話すのを見て、僕は机の上にあった書類を端に寄せた。 「うちは国語があと一人、算数があと三人かなぁ」  猪俣先生がため息を吐くと、 「あー……三組は国語が三人、算数が四人ですねぇ」  竜也先生も後に続く。 「二組は国語は全員合格。算数はあと五人です」 「四年生になると算数もだいぶ苦戦する子が増えるねぇ」  僕も確認しながら答えると、猪俣先生はイスの背凭れにグッと体を預けてもう一度深いため息を吐いた。 「概数?割り算?角?」 「二桁の割り算どころか一桁も怪しいのが二人?」  竜也先生が挙げる単元の中でも心配なものを答えると、 「そもそもそれ以前で躓いてるんだから、苦しいよねぇ」  猪俣先生はピシッと教科書の表紙を指で弾いて項垂れた。
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