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ケア
お盆休みになって身体の重怠さに耐えられなくなった。
実家に帰省も考えていたが、新幹線で二時間もは憂鬱で止める。
「あ"ーーー、先週もプレイしたのに……くそー」
ゴロゴロ転がりながら言ってみてもどうにもならなくて、枕元にある抑制剤に仕方なく手を伸ばした。
パキッと錠剤を出してとりあえず二錠を流し込む。
「ん"ーーー」
お盆ということはクリニックも休みだ。
少し待って抑制剤が効くならば少しはマシになるのだが、僕はあまりその効果を感じられない。
結局半日そうしていても抑制剤が効く気配も、症状が落ち着くこともなかった。
なのに、お腹が鳴って寝返りを打つ。
どうして人間はこんな時でもお腹が空くのだろう?
「……嫌になる」
呟きながらノロノロとベッドから降りてキッチンにある冷蔵庫を開いた。
うどんはあるが、それを調理するのも億劫だ。
スマホでいつもの宅配用のアプリを開く。
怠い時はもう選ばない。
いつものピザを履歴からそのままで注文してスマホも持ったまま床に転がった。
「あーーー……きっつ……」
変に欲が込み上げてただ横になってもいられない。
じっと寝ていられるならまだ楽な気がするのに。
コマンドが欲しい。
でも、そんなものを与えてくれる人は居ない。
クッションを抱き締めて転がることしかできないのは本当に何とかならないのか?
苦しくて……もうサブドロップして壊れてしまいたくもなる。
「……くそぉ」
ゴロゴロその場で転がり続けて堪え切れず、ダンダンと床を叩くとインターホンが鳴った。
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