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「しょーまセンセー!」
さすがに呼び捨てでは来なかった永遠。
職員室の窓をグラウンド側から叩くのは注意していると、
「僕も一緒にいいですか?」
竜也先生も一緒に立ってくれて心強かった。
「もちろんです!」
「えー?」
あからさまに嫌な顔をする永遠をたしなめて僕たちは猪俣先生が話してくれて借りた体育館に行く。
「つか、しょーまセンセーは本当にできんの?」
パタパタと手で仰ぎながら言ううちのクラスで一番小柄な良太を見て僕はポケットに入れていたスマホを取り出した。
「竜也先生、持っててもらえますか?」
それを渡して僕は靴下を脱ぐ。
それに気付いた永遠たちもみんな竜也先生の周りに集まってきた。
「全員そこから動かないでね」
一応それだけ注意しておいてピョンピョンと軽く跳ねて屈伸を数回する。
体をグッと伸ばして簡単に準備運動をすると、体育館の端に立った。
目を閉じてからゆっくり深呼吸をする。
こういう時、Tシャツと短パンなのはいい。
目を開けて胸を張ると、グッと手を挙げて一度下ろした。
脚を左右に百八十度開いてペタンと床につくと、それだけで永遠たちは歓声を上げる。
その開脚座から前についた両腕で体を支持しながら倒立をしていった。
ピタリと止めた伸腕屈身力倒立から前転をして立ち上がる。
そこから対角線上にロンダードをして、伸身姿勢で一回宙返りをして二回半ひねりをする後方伸身宙返り二回半ひねりをした。
それをピタリと止めると、
「ヤベぇーっ!!」
「すげーっ!!」
「カッケぇ!!」
口々にいってかなり拍手をしてくれる。
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