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ハルがクリニックからの連絡を教えてくれたが、送られてきていたのは体調を心配するメッセージと『お話があるので折り返し連絡をお願いします』の二言だけ。
「話って何だろ?」
「さぁ?俺はいつもの注文しか聞いてねぇし」
首を傾げる僕の手を取ってハルはツボでも押すように優しく手を動かし始めた。
「注文?」
「そ!先生はいっつもうちの店で注文した夕飯食ってんの!だから、毎日持ってって次の日の注文聞くんだよ」
程よい力でされるマッサージが気持ちよくてうっとりしてしまう。
「だから、夕方以降、僕が行くと大抵居るの?」
「あー、そーだな。てか、飯!まずはそれ食うぞ!」
思い出したようにハルが立って慣れたようにうちのキッチンに立った。
電子レンジで温めをしてくれるとおいしそうな匂いがしてくる。
「焼き鳥?」
「そ!卵あるか?」
「冷蔵庫にない?」
聞かれて答えると、ハルは二つ手に持っていいか聞いてきた。
すぐにフライパンに溶いた卵を流していく姿は手慣れていてちょっとカッコいい。
温まったご飯と焼き鳥の丼を二つ取り出してそこにトロトロの卵を乗せて一つに三つ葉を乗せた。
「凄っ!!プルプル卵!!」
出したテーブルに乗せられた丼を見て嬉しくなると、
「え?別に普通だろ?」
ハルは大袈裟だとまたキッチンに戻っていく。
「いや!こんな綺麗な半熟にならないし、破れるじゃん!」
それでも感激していると、ハルは具沢山の豚汁を運んできた。
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