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★プレイ
「翔馬!元気ねぇなぁっ!!」
奥の浴室から出てくると、ベッドに座っていたのはアッシュグレーの短髪の男。
ハルと言って僕と同い年で、もうこの一年ほぼずっとお世話になっているセラピストだ。
ニッと笑うと見える八重歯と、キラキラ光るゴツいネックレスと耳元のピアス。
緑色の目はカラコンだろうが、キラキラしている宝石のようにも見えて惹き込まれそうな気がする。
ピタリと張り付いていた薄手の黒いシャツは空調の効いたこの部屋では年中変わらずで、そのシャツ越しに身体のラインを目にしただけでドキドキした。
「準備万端?すぐ始める?」
弾んだ声でハルは先生を見る。
「いいですよ。とりあえず私が声をかけなかったら続けて下さい。ただ、翔馬くん、セーフワードは“Stop”ですからね。それはちゃんと口にして下さい」
いつもの文言を確認されて僕はゆっくり頷いた。
ハルも「へいへい」と軽く笑うと、こっちを見る。
「では、どうぞ」
先生がメガネを上げてイスに座ると、ハルは目を細めた。
Dom独特の雰囲気と発せられるグレアにクラクラする。
プレイの開始はいつも同じ。
「“Take”……着けてやる」
言われてカゴにカラーを探しに行く。
オモチャに埋もれるように奥に押し込まれていることが多いのだが、今日は一番上にあった。
ドキドキしながら黒い革製のカラーを手にして僕はハルの前に立つ。
僕の手からカラーを受け取ると、ハルは目を細めたままグレアをしっかりと浴びせてきた。
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