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肇は中学2年生のサッカー部だ。そろそろ大会が迫っていて、3年生は負けたら引退だ。今度は僕らが引っ張っていかなければならない。それに、明日は練習試合だ。今度の大会に向けて、頑張らなければならない。
「明日は練習試合だね」
肇は同級生と一緒に自転車で帰っていた。いつもの日々だ。日没が長くなるたびに、練習が終わる時間が長くなる。
「うん。頑張らないと」
そろそろ、友達と別れる交差点が近づいてきた。肇はこのまま直進だが、友達は右に曲がる。
「じゃあね、バイバイ」
「バイバイ」
肇は1人で帰り始めた。家まではあと数分だ。もう大丈夫だ。
「ん?」
と、肇は立ち話が気になった。近所に住む人々だ。何を話しているんだろう。とても気になる。この辺りで立ち話はあまり聞かない。重要な事だろうか?
「あの洞窟、入っちゃだめだよ」
あの洞窟? あの裏山にある洞窟の事かな? 誰も近寄ろうとしない洞窟かな?
「そうね。何しろ、帰れないらしいからね」
帰れないって、どうしてだろう。自分の目で調べてみよう。何か秘密があるに違いない。
「誰も近寄ろうとしないんだよ」
「それでいいそれでいい」
肇は再び家に向かった。はじめは考えていた。もしわからないのなら、自分で言ってみよう。そして、生還してみようじゃないか?
肇はいつものように家に帰ってきた。家は素晴らしい。帰ってくると家族が待っている。だけど、あと何年、ここでいられるだろう。いつか、自分も独り立ちしなければならない。そして、それはいつの事だろう。
「ただいまー」
「おかえりー」
家の中に入ると、カレーのにおいがした。今日はカレーだろうか?
「今日はカレー?」
「うん。カレーよ」
やはりカレーのようだ。明日は練習試合という事で、頑張ってほしいという思いを込めて、作ったんだろうか?
「おいしそうなにおい!」
「ありがとう」
肇は2階に向かった。着替えて、少し休んだら、もうすぐ晩ごはんだ。肇は喜んでいた。カレーは大好物だからだ。
肇は2階でも、あの洞窟の事を考えていた。あの中には一体、何があるんだろう。自分の目で確かめたいな。
「肇ー、ごはんよー」
「はーい!」
母の声だ。カレーができたようだ。それを聞いて、肇は1階に向かった。
肇は1階にやって来た。すでにカレーがテーブルにある。父はすでにカレーを食べている。肇は椅子に座った。
「いただきまーす!」
肇はカレーを食べ始めた。だが、肇はあの噂話が気になってしょうがない。今日の夜、行ってみようかな? 肝試しになるだろうから。
「どうしたの?」
「あぁ、練習試合の事を考えてて」
肇はその事を母に言おうとしなかった。母はもしかして知っているかもしれない。行こうと思っていると話したら、絶対に引き留めるだろう。
「そう・・・。頑張ってね」
「うん」
父は黙々と食べている。肇の表情が全く気にしていないようだ。
その日の深夜、肇は起きた。あの裏山の洞窟に行くためだ。
「さて、行くか・・・」
肇は家を出て、裏山に向かった。裏山はここから少し歩いた所にある。ここは誰も近寄らない場所で、行ったら呪われると言われている。
肇は裏山にやって来た。裏山は雑草が生い茂っている。この辺りはニュータウンだが、ここはあまり開発されていないようだ。まるで、ここだけ開発しないように言われているようだ。
徐々に登るうちに、ニュータウンが見えてきた。だが、光は少ない。もう深夜だからだ。
しばらく歩くと、洞窟が見えてきた。やはり噂は本当だった。入り口には、龍の彫刻がある。
「ここか・・・」
肇は洞窟に入った。洞窟は薄暗い。何かが出てきそうだ。だが、進まなければ。
「本当に何だろう」
歩いているうちに、月の光が見えない、とても暗い場所に入った。前が全く見えない。
「真っ暗だな・・・」
と、肇は誰かにつけられているような気がして、振り向いた。
「ん?」
だが、そこには誰もいない。何だろう。肇は首を傾げた。
「いないな・・・」
進んでいくうちに、光が見えてきた。こんな洞窟の奥深くに、何だろう。誰が潜んでいるんだろう。
「何だろう・・・」
肇がよく見ると、龍がいる。どうしてここに龍がいるんだろう。ここは異世界だろうか?
「えっ!? 龍?」
肇は怖くなって、帰ろうと思った。ずっと見ていると、何かをされそうで怖い。誰にも見られていないのだから、大丈夫だろう。
「帰ろう・・・」
肇は帰ろうとした。だが、洞窟を進んでも進んでも、出口が見えない。この道であってるはずなのに。どうしてだろう。迷子になったんだろうか? 今歩いている道は出口とは別なんだろうか?
「あれ? 帰れない・・・」
その時、後ろから何かが迫ってきた。だが、肇は全く気付いていない。それは、徐々に肇に迫ってきた。
「ガオー!」
その声で、肇は振り向いた。そこには龍がいる。まさか、見られていたとは。龍は怖い表情だ。
「り、龍! うわぁぁぁぁぁ!」
龍は怖い表情で見つめている。肇は逃げようとするが、龍の足が速くて、追いついてしまう。
「グルルル・・・」
次の瞬間、龍は肇に嚙み付いた。噛みつかれた肇の腕からは、血が出ている。
「キャーーーーーー!」
次に龍は肇の喉に嚙み付いた。肇は気を失った。それから間もなくして、肇は亡くなった。やはりこの洞窟からは帰れなかった。
昨夜以降、肇を見た者はいないという。
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