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prologue
視界を塞ぐのは一切の闇。
ただ一点の光さえもなく、すべては虚無に支配される。
目の裏には愛おしい君が横たわる姿が写る。
なぜ、君は俺を置いて旅立ってしまったのだろうか。
手を伸ばしても、握り返してはくれない。
どんなに君の名を呼んでも、返事さえもない。
――ああ、なぜこのようなことになったのだろう。
ひとり、先に旅立った君は酷い人だ。
そして漆黒といわれる闇の中、静かに涙し続ける。
《prologue・完》
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