わたしの自慢の幼馴染

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 二人で「いただきます」と挨拶をして、食べ始めた。蓮水くんのご飯を食べる所作がとても綺麗で品が良くて、いつも感心してしまう。 「今日は何の仕事だったの?」 「写真撮影と、取材対応」 「そうなんや、また雑誌買わんと。あ、そうだ。今日大学で蓮水くんの載ってる雑誌読んでる子がいて、かっこいいなぁって褒めてたよ!」 「へー」  こういう話をしても、自分が褒められているのにあまり関心はないみたい。でも私は嬉しいから毎回報告している。 「私は蓮水くんが活躍して、それが周りに認められるの嬉しい」 「そう」   カレイを食べながら、蓮水くんはふっと微笑んでいた。ふとした表情がいつも絵になる。それを見ながら飲むお味噌汁は、出汁が優しくて安心する味がした。   蓮水くんの作るご飯はとても美味しくて、あっという間に食べ終わってしまった。こんな美味しいご飯を食べさせてもらって、なんて贅沢なんだろう。  食べ終わった食器の片付けは私がして、少しだけまったりと過ごす時間になる。蓮水くんの家は、殺風景で、おいてあるものは必要最低限のものだけ。
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