わたしの自慢の幼馴染

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_____志藤さん、マジでかっこいいよねぇ _____志藤さんの笑顔素敵すぎる _____存在が尊い などなど。  知らない女の子たちの蓮水くんに対する憧れの視線や思いを聞くたびに、私は純粋に”嬉しいな”と思った。  田舎という狭い世界で、かっこいい、美少年などと言われてたけど、それは井の中の蛙ではなかったし、蓮水くんは人を惹きつける魅力がある。  それをより実感したのは、大学二年生。伝記ものの映画を一緒に観に行ったときだった。  その日は、私が大学の図書館に寄ってから行くので現地集合。私が待ち合わせ場所に行くと、蓮水くんは知らない男の人に声をかけられていた。  少しだけ言葉を交わしていて、私に気づいた蓮水くんが逃げるように話を切ってこちらにきた。 「どうしたの?」 「なんか、モデルやらんかって名刺もろうた」  蓮水くんは私に名刺を見せてきた。  蓮水くんから名刺を渡されて確認すると、私でも知っている芸能プロダクションの名前と、その人の氏名、連絡先も書いてあった。 「すごか!蓮水くんはかっこよかもんね。人ば惹き付ける魅力があるってプロの人からも認められたんやなあ」   「………そうか?」  あまり興味のなさそうな顔をしている蓮水くんに名刺を返す。
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