ヒトラーからもらった勲章

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 潜水艦は二十四時間、常に航行し続ける。  ドイツはまるで地球の裏側にあるかのような遠い国。  日夜を通じて進み続けなければならない。  また、敵は二十四時間、いつ襲ってくるか分からない。  潜水艦の乗組員は、二時間勤務して四時間休憩する。  これをひたすら繰り返していく。  一例を挙げよう。  午前六時。  前の班からの引き続きを受け、勤務を開始する。  作戦行動中は、乗組員全員の、そして国家の命運がかかっているので、一瞬たりとも気は抜けない。  うっかり敵を見落としたがために全員が死亡してしまった。  そんなことにならないよう、全神経を集中させて自分の任務を果たさなければならない。  午前八時。  二時間勤務したので、ここで四時間の休憩がもらえる。  次の班へと引き継ぎを済ませ、待ちに待った自分の時間となる。  この四時間で、食事を取ったり、体を拭いたり、洗濯をしたりと、自分の身の回りのことを行う。  正午。  前の班からの引き継ぎを受け、勤務再開。  集中して二時間、勤務する。  午後二時。  休憩時間になる。次の班へと引き継ぎを済ませ、四時間の休憩に入る。  艦内の娯楽は囲碁や将棋くらいのものだ。  運動したくても狭い艦内では難しい。  それに、酸素を多く消費してしまう行為は潜水艦では厳禁だ。  ということで、休憩時間は寝て過ごすのが一般的である。  午後六時。  勤務再開。  引き継ぎやら身の回りのことがあるので、四時間すべてを睡眠には使えないわけだが、それでも数時間の睡眠は心と体を少しだけ休めてくれる。  さぁ、ここから二時間しっかり頑張ろう。  午後八時。  休憩時間となった。  夜間は敵に発見されにくいので、基本的には浮上航行する。  その方が速度も出せる。  甲板に出るには当然、許可が必要だ。  皆が出たがるが、甲板はそんなに広くない。  甲板に出れば、新鮮な外の空気を吸うことができる。  潜水艦乗りにとって贅沢なひととき。  深夜零時。  勤務再開。  深夜といえども、海の世界では船が行き来するのは当たり前のこと。  今は戦時中。  油断はできない。  深夜二時。  休憩時間になった。  四時間の貴重な時間を大切に使わなくては。  午前六時。  勤務再開。  と、このような感じで潜水艦乗りたちは働いている。  一度出港してしまえば、まとまった時間の睡眠を取ることは不可能。  乗組員たちは慢性的な睡眠不足に陥る。  四時間以上連続して寝ることは、潜水艦乗りたちの大きな憧れであった。
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