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7
テイシアを出てから、3人のパーティは襲い掛かるモンスターを斬り、焼き、無傷でロダニアの森へ辿り着いていた。
腰のカバンに目をやると、手紙を渡す責務を果たすために、随分遠くまで来たものだとしみじみしていた。
「今度は大物だ、私が一太刀浴びせたら焼き殺せ」
アリアが自慢の足で敵の懐に飛び込み、リリスの魔法で畳みかける。
必勝パターンができ上っていた。
だが、想定外の展開が起こる。
背丈が人間の2倍ほどあるトロルは、手にした棍棒で足元をガードして守勢一辺倒の作戦を取ってきたのだ。
勢い余って棍棒に剣を突き刺してしまったアリアが、宙高く放り投げられ、地面に叩きつけられ気絶した。
「アリア!」
レゴラスは駆け寄ろうとしたがトロルの棍棒の方が速い。
「フラーマ!」
渾身の力で火球を飛ばすが、それも棍棒で弾き飛ばす。
レゴラスは我を忘れ、セレスティアルワンドを投げつけようと振りかぶった。
その時 ───
全身が硬直して動けなくなった。
「よお、お前、その棒きれをどこで拾った。
てか、投げてどうすんだよ、バカかお前。
ほれ、ほれ、俺に貸してみろ。
てめえみたいなバカが握ってちゃあ、秘めた力を出す前に叩き折られちまうぞ」
突如背後に現れた男は、セレスティアルワンドを取り上げると、片手でリリスのローブを掴み、ブンブン振り回してからトロルめがけて投げつけた。
悲鳴を上げて一直線に飛んでいく彼女は、涙を流し顔をくしゃくしゃにしてもがいた。
「はあ、みっともねえパーティだな。
ほんじゃあ、軽くいってみるか」
片足をスッと前に擦り出したかと思うと、棒を一振りして小声で何かを呟いた。
凄まじい火柱がトロルの足元から立ち上り、一瞬、断末魔の悲鳴を聞いたきり、炎がゴウゴウと上っていく軌跡と一緒に黒い塊と化し、粉々に灰が散って消えた ───
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