親愛なる幼馴染みのあなたへ。

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 それでも昔は私達、近くの海で一緒にバイトとかもしましたね。  暑いのは嫌と言いながらも、こんな田舎ですもの。高校生でもできるものと言えば海の家くらいでした。  あなたはいつも私よりずっときびきびと動き回り、共に働いていた母親達をも感心させていましたね。  そうですね、近年のこの暑さはあの頃の海の家の台所を思わせます。  掘っ立て小屋の様な場所で、大きなアサガオコンロを数台並べて。  大鍋にラーメンや味噌おでんのための湯を用意し、カレーやアサリの酒蒸しの注文があればまた更に火を点け。  ああそうでした。ただでさえ高い気温以上の熱気が常に天井の方に溜まっていました。温度計をかざすと40℃とか示していました。  今思うと、よくあんなところでバイトができたものだと思います。  本当に高校生というものは体力があったものですね。あの頃の大人達も。
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