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第12話 悲鳴が上がった。
管制塔の中心部、コントロールルームの扉が開いた時、銃を手に構えていたスタッフは、侵入者の姿に恐怖し発砲していた。それが命取りになるとは知らずに。
中佐は少し短めに出した爪を鋭く振った。
銃弾が弾かれ、その場に落ちた。
人間技じゃあない。
その場に居た六人程のスタッフは、急に力が抜けたようにその場に固まった。
侵入者は、手と言わず顔と言わず、既に幾つかボタンを飛ばしていたためにはだけた首筋と言わず、自身以外の血で染まっていた。
そしてその髪の赤が、瞳の金色が、彼を余計に人間以外の者に見せる。
軍人は、軍人という名目を持ってさえいれば、人間相手になら何処までも勇敢になれるのもかもしれない。
残虐になれるのかもしれない。
だが人間以外のものに対して、彼らは免疫というものがなかった。
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