エピローグ

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 あの時、殆ど自分は原型をとどめてなかったという。  ただ脳がまだ微かに反応していたことから、あのやんごとなき盟主は、その血統ゆえのテレパシイを使って自分に語りかけてきたのだ。  Mが自分に対して呼びかけてきたKZ152というのは、脳以外を全て人造部品に変えられた試験体の番号だった―――らしい。  現在の名前は、元々の名とは全く関係がない。  クーデターやら何やらで「死亡」した人間は、時に応じて「回収」されて実験体として使われることがある。  無論当時の彼はそんなこと全く知らなかった。  彼は、Mがどういう意図で、自分をただの実験体から盟主の銃として引き取ったのか、未だに判らないし、別に判りたいとも思わなかった。  ただその時気付いたのは、ひたすら自分が生きたいということだった。  自分が何をしてでも生きたいと願う動物に過ぎないということだった。
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