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◇◆◇  サミュエルは騎士団への説明、王都への連絡などずっとバタバタしていたがやっと二人きりになれた。 「こちらはなんとかなったけど王都のほうはどうなのかな?あいつらここと王都と同時に騒ぎを起こそうとしていたようだったけど?」 「……王都は騎士団長がなんとかしてくれる」 「そうか良かった。あれから母さまが拗ねちゃってさ。私も戦いたかったのにって」 「…………逆の立場だったらアルもそう言うだろう?」 「あはは。そうだね」 「はぁ…………俺の婚約者どのは自由というか好奇心旺盛というか」 「ごめんね」 「アルの姿が見えないとデセルトから連絡がもらった時どれだけ心配したか。義母さまの姿を見て嫌な予感しかよぎらなかったぞ」 「あ……は、はは。ほら、母さまがアンジェリカの教育係として潜入するって言った時に、このままほって置いたら敵の中に母さま一人で突っ込んでいきそうだったからさ。だから僕も紛れ込んで様子をみようかなあって」 「…………それでアルが突っ込んで行ってどうする!」 「いや、えっと。あれはさあ。いきおいと言うか。伯爵の部屋に大勢が押しかけていくのが見えたんだよね。そしたら身体が勝手に動いてたんだ。幸いにも僕と母さまは化粧で顔を似せていたから皆僕を母さまだと思ってたみたいだし」 「わざと平凡な顔立ちにするために化粧をしていたはずなのに。人目につくような事をしたら意味がない!」 「うう。すみません」 「ブルーノにアルが中にいるようだと言われた時、扉をぶち破りそうになったぞ」 「ごめんなさい」 「俺がどれだけアルの事を想っているかわからさないといけないようだな」 「へ?それってお仕置?」 「そうだ。お仕置する」  ずぃっと距離を縮められた。怖いけどちょっとドキドキする。
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