3-4

1/1
前へ
/72ページ
次へ

3-4

 別邸に戻ると寝室にベッドが届いていた。僕が注文したシーツカバーや枕がセットされていて白木にあっておしゃれに見える。これで未完成なの?充分綺麗なベッドなのに。そう思っているといきなりサミュエルに押し倒された。 「俺以外にあんな笑顔を見せるなんてっ!」 「えっと。ごめんね?」 「剣なんか振り回して怪我でもしたらどうするんだ!」 「あ~そうだね」 「あやうく相手を叩き斬りそうになったぞ」 「それはダメ!」 「なぜだ。こんなに愛しているのに」  わわわ。サミュエルって酔うとこんな風になるの?今日は団長につがれるままに杯をあおってたようにみえたけど。かなり度数が高いお酒だったはず。つまり団長も悪いんじゃないか!元々サミュエルってあんまりお酒飲まないのに今日は僕の周りを牽制するように飲んでた。……僕も悪いのか。 「僕も愛してるよ」 「俺のアル?」 「そうだよ。サムだけの僕だよ」 「アル。俺のアル。アルベルト愛している」  部屋着の裾から手を入れ、口づけをしながら器用に僕を裸にしていく。アルコールの香りが強い。僕もサミュエルの服を脱がしながら愛撫にこたえるのだが快感が襲ってきてうまくできない。 「アルのここも俺のだ。ここも。ここも」  サミュエルの舌と長い指が僕の秘部を暴いていく。 「っあ!サム……んん」  動きが大胆過ぎて喘ぐだけになってしまう。はっはっと息を吐くだけで精一杯でまともに返事も出来ない。 「誰にもやらないっ!」  ズンっと突き入れられ衝撃で悲鳴をあげる。 「んあああ!」  さすがに充分に慣らしてない後蕾に突き入れられるとは思わなかった。だが痛みよりも愛おしいという思いのほうが勝つ。出来るだけ息を吐くようにして侵入をスムーズに受け入れるように力を抜く。 「アル。アルっ」  名前を呼ばれるだけで嬉しい。やがて痛みよりも快感のほうが上回ってくる。サミュエルの手が舌が雄が僕を愛しいと貪る。その熱情に腰から下が溶けてしまいそうになる。 「ぁっ……ぁんっあっ……さ……む……ぁあっ」  突き上げられる度に身体が跳ねる。そのたびに深くつながるように感じた。何度か交わり僕が意識を手放す頃には朝になっていたらしい。 「……すまない」  目が覚めた僕の前には正座をして頭を下げているサミュエルが居る。 「い、こほっ……けほっ……」  同意の上だった。謝る必要なんてないと言おうとしたが昨夜叫びすぎたのか声が上手く出せなかった。 「アル!大丈夫か!水をっみ、みず!」  サミュエルがおろおろと水の入ったコップを僕に運んでくれる。うまく飲めなくてむせてしまうとサミュエルが口移しで飲ましてくれた。 「どうだ?もっと飲むか?」 「……もっと」 「わかった」  サミュエルがせっせと僕に口移しで水を飲ませてくれる。 「……アル」  やがてそれは濃厚な口づけへと変わっていく。息苦しさにサミュエルの胸を軽くたたくとハッとした表情で唇を離してくれた。 「すまない。つい」
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

161人が本棚に入れています
本棚に追加