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「昨夜の俺はどうかしていた。酔ってアルに乱暴をするなんて。俺は俺自身が許せない」 「乱暴ってほどでもないよ」  そう言って起き上がろうとしたが腰がずきずき痛んで起き上がれなかった。そんな僕の様子にますますサミュエルが青い顔をする。 「す、すまない。ここに居る間は俺がずっとアルの看病をする」 「だめだよ。騎士団に行かないと。そのためにここに来たんだから」 「き、今日は休む。どうせ、皆二日酔いだ。まともに訓練も出来はしない」 「そうなの?」 「そうだ!だから休んでも良いんだ」  昨日の様子を見ると皆かなり酔っていたしその可能性は高い。 「じゃあ今日だけ。明日からは僕も行くから」  ここには5日間滞在の予定なのにすでに二日は過ぎた。残りの3日は参加したい。 「…………そうか」  そうだよ。せっかくついてきたんだし騎士団の中もまだろく探検していない。練習風景も見てみたいし、他の団員と手合わせもしたいんだ。 「……アル。傷口をみせてくれ」 「へ?傷なんて……え?」  サミュエルががばっと布団と同時に俺の部屋着をめくりあげる。うつぶせにされ、シーツが新しいものと交換されていることに気づく。ああ、このシーツも良い色合い……ではなく。なにい?サミュエルが僕の尻に顔をうずめている? 「な、なにを?サム?」  ペロリと秘部をなめられ痛みが走る。 「切れているのだ。俺が無茶をしたせいでアルの可愛い尻の……」 「わーっ、わかったから。それ以上言わなくて……ひぅ!」   ぬるりと何かを塗られて息をのむ。切れていたなんてわからなかった。それほど激しかったのか。 「傷薬の軟膏だ……内側にもしっかりと塗らないとな」  サミュエルの指が探るように入ってくる。やがて一点を集中するようにトントンと刺激さげたまらなくなる。 「うぁ……っ……サム?」 「アル。俺は悪い男なのかな。お前に触れていると我慢がきかないのだ」 「ふへ?……ぁっ……っあん」  指の数が増やされていく。ぬるりとした感触が何とも言えない。 「アル勃ってる」  後ろのイイところを刺激されると身体が反応してしまう 「そ、それは自然現象で……ぁっ。ちょっと……まっ」  ぐっとサミュエルの存在を主張する硬さのものを押し付けられた。軽く前後させられると後ろが堪らなくなる。昨夜の余韻がまだ身体に残っているのだ。 「奥も……傷ついているかもしれないから奥にも塗らないと」  そういうと自分の雄に軟膏を塗りたくって僕に見せつける。 「こうやってね……準備は出来ているが治療してもいいか?」  治療って?なんなの?お医者さんごっこ? 「サムのぶぁかっ!」 「そうだ。俺はアルの前では大馬鹿野郎だ」  ゆっくりと挿入されてイキそうになる。ヌルヌルしてて香油の時とはまた違う感覚がする。昨日と違ってじれったい程ゆっくりと動かされて奥が疼いて仕方がない。 「ぁっ……っ……サムぅ……」 「ぁあ……アルの中は最高だ。ずっとこうしていたい」 「もっ……ばか……もっ……」 「もっ?何?」 「もっとシて……」 「わかった」  パンっと音を鳴らして腰の動きが速まる。待ち望んだ快感に背中がゾクゾクする。 「ぁっ……ああっ……ぁんん!」  次の日からサミュエルは夜になると治療という名目で僕を抱きつぶしてしまい、結局僕は最終日まで騎士団に顔を出すことはできなかったのである。 「サムったらわざとでしょ?ずるいよ!」 「アルに懸想(けそう)してる奴が多いのだ。そんな飢えた狼の群れに連れて行きたくなかった」 「練習楽しみにしてたのに」 「……次は善処する」  サミュエルがこんなになるほど、なんか心配にさせることを僕はしたのかな?だったら悪いのは僕? 「これからはサムの意見を聞いてから動くよ」 「そうしてくれ」 「うん。でも別邸がもらえてよかった。使用人たちも皆良い人だし気を使わせちゃったな」 「ああ。特にベッドは良かった。スプリングが効いてて効果抜群だった」 「効果?」 「なんでもない」 「今回は団員達と過ごせなかったなあ……そうだ」  次来るときは僕もこっそり団員の試験を受けてしまおうと心に闘志を燃やすアルベルトであった。それもまたサミュエルの嫉妬に火をともすことになるとも知らずに。
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