入眠の章

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 暗闇に、全貌の見えない大きな扉が目の前にそびえる。  ――夢、だろうか。  僕はとりあえずその扉を開こうと押してみたけれど、びくともしなかった。 「鍵がいるのか?」  僕は家の鍵を探すようにズボンの両ポケットをまさぐったけど、鍵はない。胸ポケット化と思って手を突っ込んでみると、鍵の代わりに見たことのない懐中時計があらわれた。 「僕のじゃない……なのに、見たことあるぞ……」  頭をひねって考えていると、後ろから「真広お兄さん」と声をかけられた。  振り向くと、光り輝く二人のすがたが――。
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